DETAIL
【Area】 日本・三重
【Style】 wild ale
【ABV】 5.5%
【ML】 750
bottling date : 2024.9.14
-Brewer's Voice-
2023年12月の最初にこのビールを仕込みました。
このビールはビール酵母を一切使わず、國津果實酒醸造所さんのワインを搾った時に出るマールと呼ばれる搾りかすに潜んでいる野生酵母や微生物だけで仕込んだビールです。
野生酵母だけの仕込みだったのですが、発酵は順調で、年末には発酵は落ち着きしっかりドライになりました。
このタイミングで、ユズラガーに使うための柚子から果汁だけを搾ってこのビールに合流させました。
そこからさらに発酵させて熟成段階へと入っていったのですが、ボトリング予定の春先になると冬眠から目覚めたかのようにまた発酵がスタートしました。
再発酵に伴ってボトリングスケジュールを見直しました。
そこからおよそ半年後の9月のボトリングの段階でもまだゆっくり日々発酵していて、日に日に野生酵母や微生物由来のファンキーな香りが強くなってきています。
ボトリングの段階で、まだ極々ゆっくりと発酵が続いていました。
この段階で結構美味しかったので今回はこのタイミングでボトリングしています。
なのでこのビールはボトルの中でもまだまだ香味が増えたり変わっていくと思います。
抜栓までに炭酸ガスが増えることも考慮して、今は優しい口当たりの微炭酸くらいのビールになっています。
味わいはビールというよりナチュールのような感じです。
柚子と野生酵母のファンキーなキャラクターと優しいけれど奥深い酸味。
先日の都内のイベントで先行して提供させていただいたのですがとても評判が良かったです。
これからガスがどこまで入ってくるかわかりませんが、現状でとても楽しく育てがいのあるビールだと思っています。
みんなでそれぞれ育てて数年後に持ち寄って飲み比べなんかも楽しいのかなと思っています。
一杯のグラスの中でいろんな味がするようなビールに近づけたかなと思っています。
酵母や微生物、原料それぞれの生命の躍動を感じるビールです。
どうぞ宜しくお願いします。