DETAIL
【Area】 日本・山梨
【Style】 Pilsner
【ABV】 5%
【ML】 330
-Brewer's Voice-
【“森の看護士” 天然の白樺樹液水を使用】
「白樺ビート」は、春先の一時期にだけ採取できる貴重な天然白樺の「樹液水」を仕込み水の一部に利用した、全国的にも大変珍しい商品です。カバノキ科の落葉樹である白樺は 3 月から 4 月にかけて、春の芽吹きに備えて地中から吸いあげた大量の水分を幹のなかに保持します。この「白樺樹液水」は、ミネラルを豊富に含み、古来から人々の生活を潤してきたことから “森の看護士”とも呼ばれています。ほのかな甘味を持つことから、飲用に加えて人工甘味料「キシリトール」の原料にもなるほか、保湿力の高さから化粧品等にも利用されています。
【白樺の “おすそ分け” を仕込み段階で投入】
そんな樹液水を、標高約 1280m に位置する八ヶ岳ブルワリーは、まだ高原に雪が残る 3 月から 4 月にかけ、当社敷地内に群生する白樺の木々から毎年少しずつ “おすそ分け” してもらいます。夜のうち、光沢を帯びた白色の樹皮に直径および深さ 2cm ほどの小さな穴を開け、ビニール管の片方をその穴に、もう片方を容器に差し込みます。そうして、ゆっくりと滴ってきた樹液を明け方に回収します。
採取できるのは 1 年のうち 3 週間ほど。一定の期間を過ぎれば樹液水はピタリと止まってしまいます。また、大切なのは採集したあと、幹に開けた穴を同じような材質の木片で埋めること。そうすれば 1 年後にはかさぶたのように穴もふさがり、木々が枯れてしまうこともありません。
【ほのかな甘味とライトな飲み心地】
そうして採取した白樺樹液水を数十リットル、ビールの仕込み段階(麦汁煮沸の開始時)に投入したのが「白樺ビート」です。樹液水に含まれるほんのりとした甘味が活きるよう麦芽由来の糖は可能なかぎり発酵段階で使い切り、きりっとしたライトな飲み口ながらも、八ヶ岳ブルワリーらしい奥行きのあるモルト本来の旨味を活かした仕上がりとしました。また、今年は白樺樹液水が豊作だったため「白樺ビート」は 3 バッチ仕込むこととなりました。3 バッチ目となる本商品は、1 バッチ目に使用した「サファイア」ホップと 2 バッチ目に使用した「ハラタウブラン」ホップをブレンドして、よりイタリアンピルスナーとしての完成度を追求したものとなっております。ビタリングには主に「ハラタウブラン」を使用し、ドライホップは主に「サファ
イア」ホップを使用。過去 2 バッチに比べドライホップ量を減らし少しボディを厚く調整。ホップ、モルト、白樺樹液の味わいがよく調和した商品となりました。2023 年の白樺ビートの集大成をぜひお楽しみください。