DETAIL
【Area】 日本・京都
【Style】 スコティッシュエール
【ABV】 5%
【ML】 350
-Brewer's Voice-
じんわりと広がる滋味深い味わいに、思わず舌鼓を打つような、やさしくも奥深い仕上がりのパブエール
【味わいの特徴】
スコットランドの伝統的な“80シリング”スタイルのエール(=英国では、アルコール度数で税率が決められていたため、酒税の金額でビールの強さを表現することがある。例えば60シリング=ライトなビール)。この琥珀色のエールは、クラッカーやビスケット、蜂蜜を思わせる香ばしくモルト主体の滋味深い味わいが特徴。ホップは控えめに抑え、特にパブで楽しむ際には重要になるバランスの取れた後味を大切にし、何杯でも飲みたくなる一杯に仕上がっています。
【相性の良い食事】
タルタルソースで食べる肉厚オニオンリング、ライ麦パンを使ったチェダーチーズとハムのサンドイッチ、塩味の効いたポップコーン
【名前の由来】
英国の庶民文化を象徴するパブでは、夜な夜な洒落者が集い、ビール片手にウィットに富んだ冗談を交わしたり、情報交換に花を咲かせたりと、粋な社交を楽しんでいる。そんなパブで、昔から愛され続けてきたビアスタイルに焦点を当てたシリーズ─「洒落(しゃらく)」
【醸造家の声】
スコティッシュエールは、私たちの特にお気に入りのビアスタイル。近頃はホップに注目が集まりがちですが、このクラシックなビアスタイルはその流れに逆らう存在といえるでしょう。モルトのじわじわと広がる自然な甘みを土台に、蜂蜜、カラメル、ビスケットを思わせる複雑で香ばしいフレーバーを組み合わせつつ、何よりも「飲みやすさ」を大切にしたスタイルです。
かつての英国ではアルコール度数に応じて課されていた酒税の額「シリング」で、次第にビールの強さを表す言葉になりました。「60シリングのエールを一杯」というような形でカウンターで注文していたのでしょう。今回のスコティッシュエールは、80シリングエールにあたり、度数4〜5%ほど、当時のスコットランドの基準からすると比較的高めの度数であったため、「エクスポートエール」と呼ばれ、長い航海にも耐えられる強めのビールとして認識されていました。
さて、もっと詳しくビールの説明をすると、モルトは、ベースにピルスナーとマリスオッターを使用し、クリスタル50、ミュンヘン10、ローストバーレイを加えることで独特の琥珀色とフレーバーを引き出すことに成功しました。煮沸時間を通常より少し長く取ることで、モルト由来の糖分がぎゅっと濃縮されカラメル化し、一層味わい深くなります。ホップにはクラシックな英国製ファッグルを使用し、アロマに安定性をもたらすと同時に、土っぽいスパイス感を添えています。発酵にはブリティッシュ・パブエール酵母を使用して、仕上げ、出来上がった味わいはというと、本場イギリスのパブでハンドポンプから提供されたと言われても違和感のない、極めて本格的な仕上がりになっています。