【Area】 日本・三重
【Style】 Belgian Imperial Stout
【ABV】 12%
【ML】 350

-Brewer's Voice-
過去最大量のモルトとたっぷりのミネラル分を感じられるように黒糖を使ったECLIPSEに新たな味わいが仲間入りしました。今回リリースするこの黒いビールECLIPSE赫はひみつビールの今までのビールのおよそ2.5倍〜3倍のモルトを使って仕込みました。

前回のECLIPSEは黒系モルトのしっかりとした焙煎した風味が味わえるパワフルでどっしりとした味わいだったのに対して、今回のECLIPSE赫は色味こそしっかり黒ですが、黒系モルトのロースト感やエグ味、嫌な苦味を抑えた香り華やかな黒ビールに仕上がっています。

このビールを仕込んだのは3月。
インペリアルスタウトだけど酵母由来の果実味溢れるスタウトを造ろうと仕込みをしました。
酵母の出す果実味溢れる香りを主体に黒ビールなのに苦くなくてフルーティーという相反する特徴をバランスよくビールに仕上げるために今回は発酵能力の異なる2種類のベルジャンイーストで発酵させています。
今回の仕込みでは初期糖度がとても高く、またロースト感や苦味を抑えているので発酵が途中で止まってしまうとビールの甘さを受け止めるものがなくバランスの崩れた仕上がりになってしまいます。
しっかりと目標の数値までビール内の糖分を発酵させるために2種類の酵母でバトンタッチしながらじっくりとおよそ半年かけてビール造りを行ってきたので程よい甘みと果実味が見事に調和した豊かな味わいに仕上がりました。

妖艶で深みのある複雑な味わいは飲むたびに新しい香りの発見があり、カカオやフルーツ入りのチョコレートを思わせる香りを主体に、よく熟れたメロンやプラムにチェリー、濃い色のベリー類やイチジクなどのダークフルーツのフレーバーと、わずかな薫香が感じられます。
バレル熟成をしていないのになんだかバレルに少しの間入っていたかのような奥深い味わいと微かな酸味がビールの味わいをより豊かにしてくれています。
見た目の濃さからは想像できない多彩で馥郁とした味わいがこのビールの特徴と言えます。
じっくり飲んでいると、隠し味として加えた黒糖由来のラム酒のような香りがあることにも気づいてきます。また、黒糖のミネラル感がじんわりと口の中で広がっていくことも美味しさの一つです。

このビールに合わせるなら燻製ナッツやフルーツを使ったズッシリ系のパウンドケーキ、濃厚なアイスクリームなどのスイーツなどはおすすめです。和菓子のどら焼きも最高の組み合わせだと感じます。栗が入ったどら焼きだとなお良しです！
意外にも、濃いめのソースでいただくステーキやスペアリブとの相性も良いのでお試しください。

アルコール度数が高いのでゆっくりと何人かで飲んでいただくのもいいかと思います。
もちろんビール単体でも満足できる味わいなので、ゆっくり一息付きながら、
好きな本を読みながら、映画を観ながら、気心の知れた仲間との団欒にももってこいなビールです。
何人かで集まってビールについてあれこれ話しながら飲むのも楽しいかもしれません。

赫には明るいや、輝くといった意味があるのですが、エクリプスは食という意味で、日食や月食など明るさとは正反対なイメージです。今回スタウトで黒いのにロースト感はほとんどなく、果実味溢れるフルーティーなビールという、ある意味相反するビールを造ったので名前もECLIPSE赫という名前になりました。

じっくり数年寝かせても美味しいビールだと思います。たくさん詰めたので焦らずゆっくりと販売していこうと思っております。