DETAIL
【Area】 日本・香川
【Style】 Imperial Stout w/Espresso
【ABV】 9.5%
【ML】 350
-Brewer's Voice-
スペシャルティコーヒーを使用したじっくり飲むたいスタウト
ビールを作って、売って、という仕事をしていると、黒ビールは苦手だ、っていう話をよく聞きます。色の濃いビールは本当になかなか人気が出ません。先入観なのか、シンプルに苦手なのか...。
世の大半の人が求めるあのビールの金色や喉越し、爽快感とは確かにイメージとは違いますが、黒ビールはドライなものからヘビーなものまで、本当に多彩です。液体の色が黒いのでブルワーとしても色々と遊べるのも多彩な理由の一つかもしれません(モルトの配合や副原料の使用により淡いビールの液体の色はいとも簡単に変化するのです)。
そんな多彩な黒ビールのなかでも、今回はインペリアルスタウトを作りました。かなりの種類と量の麦芽を使用した、どっしりと、甘味をおびたボディに、カカオやチョコレートやキャラメルのような風味、そしてゆっくり飲むのにぴったりなハイアルコールなインペリアルスタウト。
そんなインペリアルスタウトに、僕たちの直営店OHLOY STOREでも使用させて頂いている jefferson coffee にセレクト&焙煎していただいたメキシコ チアパスにあるDon Rafa農園のAnaerobic Naturalのコーヒー豆をお店のエスプレッソマシンで抽出し、ビールとブレンドしました。狙いとしては、ベースとなるインペリアルスタウトでしっかりしたボディと黒系モルトによるコーヒー感はあらかじめ作っておき、そこにアナエロビックナチュラルのコーヒー特有の爽やかな酸味と、ワインやシードルのような繊細な風味を奥に潜ませました。
僕自身、もともとコーヒー業界で長く働いていたのでコーヒービールはいつか作りたかったのですが、コーヒーとビールを調和させるスタイルや方法はなんだろうと考えていました。エスプレッソであれば追加で使用する水分量は最小限に抑えられるのでせっかくのインペリアルスタウトのボディの邪魔もしないし、抽出時に味を調整しながら決められるのでスペシャルティコーヒー本来の特徴をシンプルに上乗せできるんじゃないかと思いました。エスプレッソマシン買っててよかったです。ちょっと無理させましたが。
出来上がったビールは、リッチで飲みごたえがありつつ、優しさも感じられる良い液体になったんじゃないかと思います。ゆっくりと飲みながら自分と向き合うのにぴったりなのでMirrorと名付けました。イラストはお馴染み西原楓。缶に巻いてちょうど月が丸く見えるよう、あえて楕円で作成する小技がきいてます。
色々なシチュエーションでお楽しみください!